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風船もブランコも春の季語だという。しゃぼん玉もそうだ(春秋)2009/04/22 [News]

風船もブランコも春の季語だという。しゃぼん玉もそうだ(春秋)2009/04/22, 日本経済新聞 朝刊, 1ページ,  , 546文字

 風船もブランコも春の季語だという。しゃぼん玉もそうだ。うららかな日差しをまとい、戸外で無心に遊ぶ子どもたちの姿に昔の人は季節を感じたのだろう。もっとも昨今はそんな光景を見たくても、少年少女は塾通いなんぞで忙しい。
▼それにこの時期は「全国学力テスト」というものがある。文部科学省が鳴り物入りで始めて今年で三回目。きのうも約二百三十万人の小中学生が国語と算数・数学の問題に挑んだ。季語には新しい言葉が次々に生まれているから、文科省としては「学テ」もそのうち歳時記に加わると期待しているのかもしれない。
▼しかし評判は必ずしも芳しくないようだ。浮かび上がる傾向は毎回ほぼ同じ。一方で成績の公表方法をめぐって悶着(もんちゃく)が絶えず、学校現場ではテスト向けの勉強にいそしむなどという騒ぎも起きている。大金を使って、小六と中三の全員を対象に毎年繰り返すほどのことはない、と見直しを求める声には一理あろう。
▼学力調査そのものがケシカランというわけではない。ただ、一度決めたからと「毎年・悉皆(しっかい)」にこだわるのでは走り出したら止まらない公共事業のようだ。私立校の参加率がついに五割を切ったのは見て見ぬふり、なのだろうか。「春愁」なる季語もある。子どもも親も憂わしき春。わが道を行くお役人は、さて。

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